細胞レベルで見る「加齢による肌老化のメカニズム」

細胞レベルで見る「加齢による肌老化のメカニズム」

肌老化は内的(生理的)要因外的(環境的)要因の両方により引き起こされます。


1. 内的老化(自然老化)

年齢とともに生じる身体の変化によって引き起こされる肌の老化です。

  • コラーゲンの減少
     皮膚の真皮にあるコラーゲンは、肌のハリや弾力を保つ役割があります。加齢によりその産生が減少し、肌がたるみやすくなります。
  • エラスチンの変性
     弾力を司るエラスチンが変性し、肌の弾力が低下します。
  • ターンオーバーの遅延
     肌の生まれ変わり(ターンオーバー)の周期が遅くなり、表皮が薄くなって、肌のバリア機能が低下します。また、古い角質が肌表面にとどまって、くすみや乾燥の原因になります。
  • 皮脂・汗の分泌量の減少
     乾燥しやすくなり、外的刺激から肌を守るバリア機能が低下します。

これらの肌の内的老化は、以下のような肌を構成する細胞の老化によりもたらされます。

【線維芽細胞の機能低下】

  • 線維芽細胞は、皮膚の真皮層に存在する細胞で、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの成分を産生し、肌のハリ、弾力、潤いを保つ役割を担います。また、創傷治癒にも関与し、傷の修復を助ける働きも持っています。
  • 加齢によりDNA損傷やミトコンドリア機能不全が進み、線維芽細胞の増殖能や合成能力が低下します。 

【表皮幹細胞の枯渇】

  • 表皮の基底層にある幹細胞が自己複製し、新しい角化細胞を生み出しています。 これを、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)と呼びます。
  • 加齢によって幹細胞の活性が低下すると、ターンオーバーが遅延します。 

【老化細胞とSASP(老化関連分泌因子)】

  • 細胞は、組み込まれた遺伝子プログラムによって制御され、積極的に細胞死を引き起こして、新しく生まれた細胞と入れ替わります。これをアポトーシスと呼びますが、一部の老化細胞はアポトーシスせずに残り、「SASP」と呼ばれる炎症性サイトカインやプロテアーゼを分泌します。
  • このSASPは周囲の正常細胞に炎症を波及させ、組織全体の老化を加速します。

2. 外的老化(光老化など)

紫外線や大気汚染などの外的要因によって促進される老化です。内的老化よりも影響が大きいとされます。

  • 紫外線(UV
    UVA
    は真皮まで届き、コラーゲンやエラスチンを破壊します(シワ・たるみ)。
    UVB
    は角質層を構成する角化細胞のDNAを損傷して、ターンオーバーを遅延させるとともに、表皮に炎症を起こし、シミや色素沈着の原因になります。
  • 活性酸素の増加
    紫外線やストレス、喫煙などにより体内に活性酸素が増加。これが細胞を酸化させ、老化を促進します。
  • 大気汚染物質
    微細な粒子や化学物質が皮膚バリアを破壊し、炎症や色素沈着を引き起こします。

このように肌の内的老化、外的老化のどちらも、肌を構成する細胞そのものの老化や炎症に起因するので、その対策の根本は表面的な保湿や加湿にとどまらずに、細胞そのものに働きかけて、その予防や修復をする必要があります。

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